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第2回 ららら幾何学の子、フーツラ

となりのヘルベチカ / 芦谷國一

新進気鋭のマンガ家・芦谷國一さんの手がける、ちょっと不思議な欧文フォント入門コミック。
月に行ったことのある書体とは一体
…!?   連載2回目は、「フーツラ」が登場!

 

 

 

 

 

100年経っても大丈夫

フーツラは1927年、ミュンヘンのドイツ書籍印刷学校で教えていたパウル・レンナーがデザインした書体です。レンナーは幾何学形態を用いて、新しい「時代精神」に基づいた合理的な書体を設計しようと試みました。

 

 

ららら幾何学の子

フーツラは、まるでコンパスと定規で描いたように幾何学的な造形をしていますが、これは合理的な機能美を追求した同時代のバウハウスの教育理念と同じものでした。ほぼ正円に近いOの文字や、大文字のような小文字のuにその特徴が表れています。

 

 

決め手は清潔感

図形のような円と直線のバランスで、高級感や清潔感を演出するこの書体は、ファッションブランドや化粧品、自動車メーカーのロゴといった場面で頻繁に使われています。代表的なものでは、ファッションブランドの「シュプリーム」などがフーツラの造形を参考にしています。

 

 

宇宙船地球号の書体

人類史初、月面着陸をしたアポロ11号着陸船の銘板にも、この書体が使われました。「HERE MEN FROM THE PLANET EARTH FIRST SET FOOT UPON THE MOON JULY 1969,A.D.(西暦1969年7月、惑星地球より来たる人物、この月面に初めてその一歩を記す)」と記載されています。

 

 

ちょっぴり天然

視覚的な効果を考え、フーツラは大文字のOが正円ではないことや、横の字画がわずかに細かったり、bdなどのボウル(楕円の曲線部)の接合部が細くなっていたりします。これらの調整が幾何学的・図形的な造形の中に文字としての読みやすさを生み出しています。

 

 

 お国柄?

書体に、設計当時の流行や文化の影響が見られることはよくあります。しかし、その国の書体はその国のデザインでしか使えないということはまったくなく、使いたい場面に合った書体を選ぶのが良いとされています。

(次回へつづく)

 

監修:山本政幸(岐阜大学准教授)

※各書体の擬人化は、著者が個人的に思い描いたイメージをもとに制作しています。各書体製作会社および版権元とは、一切関係ございません。

※本作品は、2016年に刊行された芦谷國一氏の同人誌『書体研究サークル』をもとに、あらたに新作マンガとして描き下ろされたものです。

この連載は月2回更新でお届けします。
次回は2019年6月27日(木)予定。 

 

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