• Twitter
  • Facebook

第3回 つっけんどんなギル・サン

となりのヘルベチカ / 芦谷國一

新進気鋭のマンガ家・芦谷國一さんの手がける、ちょっと不思議な欧文フォント入門コミック。
一見クールだけど、意外な一面を持つ英国紳士とは……!?  連載3回目は「ギル・サン」が登場!

 

 

 

 

 

ちょっとつっけんどん

ギル・サンのもとになった文字の骨格は、古代ローマ時代の石碑文の大文字や中世に統一された小文字の筆跡など、古典的なローマン体を参考にしてつくられました。手書きの字画を残した造形をしています。

 

 

ヒューマニスト?

サンセリフ体は主に4つの分類に分けられます。その中でもギル・サンは「ヒューマニスト・サンセリフ」と呼ばれ、サンセリフ体の中では珍しく小文字の「g」が2階建てであるところなど、手書きの人間味を感じさせます。

 

 

英国生まれ、彫刻家育ち

ギル・サンの制作者であるエリック・ギル(1882〜1940)は、英国の名高い彫刻家でした。彼はギル・サンの他にもパーペチュアやジョアンナといった、古代の碑文を思わせるようなローマン体を発表しています。

 

 

影響力はハンパない

ギル・サンは、伝統的な造形をしていながら視認性に優れた先駆的なサンセリフ体でした。中には、小文字の「r」のようにサンセリフ体でありながら、縦線と横線の太さが極端に異なる箇所も存在します。

 

 

英国紳士

ギルの師ジョンストンの書体はロンドンの地下鉄など交通機関で見られ、ギル・サンも「BBC」の制定書体(※)であったり、ファッションブランド「マーガレット・ハウエル」のロゴに使用されています。こうした使用場面から、どこか「英国っぽさ」を持つ書体です。

※制定書体……企業のイメージを決める、いわば公式使用書体

 

 

実は優しい…!?

コンビニ「ファミリーマート」のロゴはコリンシアンと呼ばれるサンセリフ書体ですが、これもギル・サンの影響を受けています。堂々とした大文字の造形や小文字にある温かみが、現在でも人気の衰えない理由でしょう。

       (次回へつづく)

 

監修:山本政幸(岐阜大学准教授)

※各書体の擬人化は、著者が個人的に思い描いたイメージをもとに制作しています。各書体製作会社および版権元とは、一切関係ございません。

※本作品は、2016年に刊行された芦谷國一氏の同人誌『書体研究サークル』をもとに、あらたに新作マンガとして描き下ろされたものです。

この連載は月2回更新します。
次回は2019年7月11日(木)予定。

 

前回はこちら

【お知らせ】

☆☆☆☆☆☆
『となりのヘルベチカ マンガでわかる欧文フォントの世界』
書籍化決定!!!!

連載『となりのヘルベチカ』に大幅加筆&コラムを収録!
より多くの欧文フォントとの出会いをお楽しみに!!

ご予約はこちら

書籍詳細ページ

発売日:2019年9月26日(木)予定
☆☆☆☆☆☆