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第6回 真面目なタイムズ・ニュー・ローマン

となりのヘルベチカ / 芦谷國一

新進気鋭のマンガ家・芦谷國一さんの手がける、ちょっと不思議な欧文フォント入門コミック。
主人公の丸栖(まるす)が参加する講座の講師は、あの世界的に有名な英国新聞のためにつくられた書体……!?
連載6回目は「タイムズ・ニュー・ローマン」が登場! 書籍も予約受付中です!!

 

 

 

 

 

新聞のために作られた

タイムズ・ニュー・ローマンは、1932年、書体デザイナーのスタンリー・モリスンがヴィクター・ラーデントの協力を受けて開発した書体です。イギリスのタイムズ紙が新聞の本文用に依頼した書体で、今日でも書物などの本文でよく見られます。

 

 

情報が得やすい

タイムズ社が、読みやすく、かつ紙面のタイポグラフィの刷新を目的として依頼したのがこの書体です。その造形のモデルには、フランク・H・ピアポントのプランタンやエリック・ギルのパーペチュアなどがあったとされています。

 

 

可読性が高い

タイムズ・ニュー・ローマンは、セリフが細く控えめであることや、やや長体で高いx-ハイト*を持ち、長文の視認性、可読性に優れています。質の悪い新聞紙への高速印刷に対応するために字画は太めに設計されており、まさしく読む人のことを考えた作りになっています。
*x-ハイト……小文字のxの縦幅。小文字の高さの基準。

 

 

抜群の実用性

タイムズ・ニュー・ローマンが本文書体として広く使われる理由のひとつに、実装されている文字や記号の多さがあります。ラテン文字だけでなく、キリル文字や記号類が充実しており、他に類を見ない利便性と現実性を兼ね備えています。

 

 

 似た者が多い

モノタイプ社が開発したタイムズ・ニュー・ローマンは、行単位の自動鋳植機で有名なライノタイプ社にライセンス供与され、タイムズとして生産されました。以来、今日まで広く新聞や雑誌、書物などの印刷に使われています。

 

 

ちょっぴり照れ屋

クセがなく堅実な印象を与えるこの書体の出番は、新聞や書籍の本文書体だけでなく、「HSBCホールディングス*」や「ランバン」といった誠実さと歴史の長さを感じ察せる企業のロゴタイプにも採用されています。
*2018年4月に新ロゴタイプに変更されました。

(次回へつづく)

 

監修:山本政幸(岐阜大学准教授)

※各書体の擬人化は、著者が個人的に思い描いたイメージをもとに制作しています。各書体製作会社および版権元とは、一切関係ございません。

この連載は月2回更新します。
次回は2019年8月22日(木)予定。 

 

前回はこちら

 

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