フィルムアート社の中の人が2021年8月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本をピックアップして紹介します。
(毎月上旬更新予定)
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フィルムアート社の中の人が2021年8月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本をピックアップして紹介します。
(毎月上旬更新予定)
価格 1,210円(本体1,100円+税)
発行年月 2021年08月
判型 新書
ISBN 9784480073990
『網走番外地』『日本俠客伝』『緋牡丹博徒』など、1960年代後半から70年代にかけて一世風靡したヤクザ映画の数々。その映像美と活気あふれる魅力に迫る。
一九六〇年代後半から七〇年代にかけて、高度成長まっただ中の時代に、ヤクザの世界を描いた作品群が量産される。鶴田浩二、高倉健、藤純子、菅原文太などがスクリーン上で活躍する姿は一世を風靡した。それらの作品を同時代に見続けてきた著者が、その面白さの秘密を探る。『網走番外地』『日本俠客伝』『昭和残俠伝』『緋牡丹博徒』などの人気シリーズをはじめ、隠れた名作や傑作を再発見する!
(出版社HPより)
価格 2,970円(本体2,700円+税)
発行年月 2021年08月
判型 A4変
ISBN 9784766135169
ライト・セーバー全58本の歴史と物語がわかる、ファン必読の一冊!!
オリジナル3部作(エピソード4~6)、新3部作(プリクエル・トリロジー)(エピソード1~3)、『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』の本編映画だけでなく、『ローグ・ワン』『ハン・ソロ』のスピンオフ映画はもちろん、テレビアニメ・シリーズ『反乱者たち』や『クローン・ウォーズ』、実写ドラマ『マンダロリアン』、さらにはアクション・ゲームやウォルト・ディズニー・ワールドのアトラクション、コミックや小説まで、スター・ウォーズ・ユニバースを彩るライトセーバー58本を完全収録。
驚くほど精巧なイラストと詳細な解説で、各ライトセーバーの歴史と所持するキャラクターのすべてがわかる!
(出版社HPより)
価格 2,200円(本体2,000円+税) 発行年月 2021年08月 判型 四六判 ISBN 9784906960132
日本では初となる、映画作家アニエス・ヴァルダの全貌に迫った論集。娘であり、晩年のヴァルダの展覧会のプロデュースなどにあたった娘ロザリーへのインタビューをはじめ、『幸福』『歌う女・歌わない女』『冬の旅』などの代表作品、夫ジャック・ドゥミとの関係、ヌーヴェル・ヴァーグの諸作家との比較、写真やインスタレーション作品などに迫った論考や作品ガイドを収録する。
価格 1,760円(本体1,600円+税)
発行年月 2021年08月
判型 四六判
ISBN 9784065249413
『風の谷のナウシカ』~『思い出のマーニー』まで監督・押井守が語り尽くした痛快・ディープなインタビュー。ジブリアニメをもう一度、見返したくなること必至!
世界中のアニメーションに影響を与えた“スタジオジブリ”を、これまた世界中からリスペクトされる監督・押井守が語り尽くして、メディアやアニメファンたちの間で大きな話題を呼んだ『誰も語らなかったジブリ語ろう』。
長らく入手困難だった本書が、増補版として待望の再登場!
およそ40年にわたって親交を結んできたスタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーとの最初で最後の(!?)往復書簡、押井監督と長年タッグを組んできた盟友・石川光久プロデューサー(株式会社プロダクション・アイジー代表取締役社長)、スタジオジブリ等で長らくプロデューサーを務めてきた高橋望氏との本音がぶつかり合う鼎談を新たに加えた増補版です。
カバーイラストは『映像研には手を出すな!』『日本沈没2020』の監督を務めた湯浅政明。
聞き手・構成・文は映画ライターの渡辺麻紀
(出版社HPより)
価格 3,740円(本体3,400円+税)
発行年月 2021年08月
判型 A4
ISBN 9784845920198
最高のアイデアが理想の形で具現化できる! 制作に関わる基礎知識から、人物や動物のデッサン、構図の意図を引き立てる照明や色彩、英雄の旅や記号論を使った創作論、作品に一貫性をもたせる編集方法まで。ビジュアルで物語にのめり込ませるための、理論と実践がつまった一冊。
『アラジン』『ライオン・キング』『ポカホンタス』などのディズニー作品をはじめ長年ハリウッドのストーリーボード・アーティストとして活躍してきた著者が、観客や読者を「楽しませる」ための具体的な方法について、あらゆる原理やテクニックを、自らの経験を交えながら丁寧に解説していきます。
日本では「絵コンテ」と同義で使われることも多いストーリーボードですが、本書では実際の制作現場と同じ手法を用いて、『千夜一夜物語/アラビアンナイト』を題材にしたオリジナルのストーリーボードを使って図示していきます。
映画、アニメーション、ドラマ、CM、ゲーム、ミュージックビデオにおける映像制作の現場や、漫画におけるネームの作成でも役に立つ知識が詰まった、実践的な1冊になっています。
(出版社HPより)
価格 3,850円(本体3,500円+税)
発行年月 2021年09月
判型 A4
ISBN 9784866471525
特別企画:世界初! ジョン・カサヴェテスが自主制作したポスターを一挙30枚掲載。映画の制作、宣伝に革命が起きた時代。当時のカウンターカルチャーや観客の熱気を伝える、 斬新なポスター・アートが誕生した。
約220作品 掲載枚数 400枚以上!
(日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、東西ドイツ、チェコ、ベルギー、ポーランド版など)
『俺たちに明日はない』『卒業』『暴力脱獄』『2001年 宇宙の旅』『イージー・ライダー』『真夜中のカーボーイ』『ワイルドバンチ』『明日に向って撃て!』『ファイブ・イージー・ピーセス』『M★A★S★H』『バニシング・ポイント』『断絶』『ラスト・ショー』『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』『フレンチ・コネクション』『ダーティハリー』『時計じかけのオレンジ』『ゴッドファーザー』『スケアクロウ』『地獄の逃避行』『ミーン・ストリート』『スティング』『ロング・グッドバイ』『アメリカン・グラフィティ』『チャイナタウン』『狼たちの午後』『ナッシュビル』『カッコーの巣の上で』『タクシードライバー』『ロッキー』『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』など
(出版社HPより)
価格 2,750円(本体2,500円+税)
発行年月 2021年08月
判型 四六判
ISBN 9784065241325
……アニメーションの魅力を全面的に開化させたのが、高畑勲さん、宮崎駿さん(以下敬称略)といった人々によって担われたスタジオジブリの作品群であったと、私は考えています。高畑や宮崎といった作り手の仕事の素晴らしさについて私はこれからお話ししたいと思っているわけですが、そのためにはまずアニメーションそのものの魅力について語る必要があります。
(中略)
ルネサンス絵画の本質はアニメだということです。
ボッティチェリの『春』でも『ヴィーナスの誕生』でもいい。たくさんあるラファエロの聖母子像でも『アテネの学堂』でもいい。登場人物はすべて動き出そうとしている。静止画でさえ、いまにも瞬きしようとしている。これはもう、ルネサンス絵画の本質というよりは西洋絵画の本質で、ボッティチェリだろうがラファエロだろうが、レオナルドだろうがミケランジェロだろうが、さらには時代下ってカラヴァッジョだろうが、あるいはレンブラントだろうがフェルメールだろうが、すべてそうです。
ということは、彼らの絵をもとにしてアニメが作れるように出来ているということです。原画もキャラクターも台本も全部そろっている。ボッティチェリ作画、高畑勲監督『春』なんてことがありえたということです。それこそが、イタリア・ルネサンスの魅力の核心であると考えたほうが、よほど分かりが早い。実際、コマーシャル・フィルムなどで、そういうことを試みている例ーーたとえば優しくウィンクする『モナ・リザ』ーーが少なくないわけですが、コンピュータ・グラフィクスの驚異的な発展がこれからどんなことを可能にするか、空恐ろしいほどです。ルネサンス絵画のすべてが動き出すことになるかもしれないわけですから。
(中略)
……その眼で眺め直してみると、ゴンブリッチが援用したジェームズ・J・ギブソンの知覚論や、ルドルフ・アルンハイムの視覚論、エルンスト・クリスのカリカチュア論を含む精神分析的美術論などが、アニメーション探究に役立たないはずがありません。漫画論ーーとりわけ少女漫画論、劇画論ーーについてはもちろんのことです。
西洋ルネサンスとアニメ・ルネサンスを雁行する視覚芸術史上の事件として眺めるというこの考え方は、さらにいろいろ興味深い示唆を含みます。たとえば前者においてはキリスト教が占めた位置を後者においてはエコロジー(生態学)信仰が占めています。終末論として似ているのです。
高畑の作品も宮崎の作品も、大略、このような視点から眺められなければならないと私は思っていますが、しかしそれだけではもちろんありません。
(第一章「絵より先にアニメがあった」より抜萃)
(出版社HPより)
価格 3,960円(本体3,600円+税)
発行年月 2021年09月
判型 四六判
ISBN 9784622090335
「40年ほど前、海外暮らしの大変さも考えず、若い私は、イランから、あこがれの日本にわたってきました」。「越えなければならない壁がいくつも目の前に現れました」。
昭和末の日本に降り立ったイラン女性が覚えたての日本語を駆使し20代でイラン大使秘書を経験、帰国後は国営テレビで日本のドラマを翻訳・紹介し、再来日してからは公開されるほぼすべてのイラン映画の字幕翻訳に関わる。
世界の映画祭を席巻しはじめたキアロスタミらイランの監督たちの通訳・アシスタントを務め、各地の映画祭でイラン映画の紹介に奔走、多くの国際合作をプロデュースし、日本の監督のイラン・ロケや、イランの二大巨匠(ナデリとキアロスタミ)の日本での映画づくりを「命を削る」苦労で実現した。映画づくりを志す日本の学生たちの教育にもたずさわる。
イスラム革命、対イラク戦争、昭和の終わり、バブル崩壊、労働者の大量来日、アメリカの経済制裁……激動の時代のなかイランと日本を往復し、遠く離れた両国の「奥深くに似たところがある」「イランと日本は編みあわされた一つの国」と感じるまで二つの文化のかけ橋となった女性の映画愛に満ちた涙と笑いの半生記。
(出版社HPより)