フィルムアート社の中の人が2021年10月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本をピックアップして紹介します。
(毎月上旬更新予定)
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フィルムアート社の中の人が2021年10月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本をピックアップして紹介します。
(毎月上旬更新予定)
価格 902円(本体820円+税)
発行年月 2021年10月
判型 新書
ISBN 9784098254118
『半沢直樹』の源流は「任侠映画」だった!
コンプライアンス遵守が盛んに叫ばれる現代。かつて全盛を極めた「やくざ映画」の命脈も風前の灯火だ。しかし、その中は「組織論」「義理と人情」など、日本社会の本質を理解するカギがそこかしこに隠されている。
『仁義なき戦い』『人生劇場 飛車角』『博奕打ち 総長賭博』『緋牡丹博徒』『県警対組織暴力』--日本映画史に燦然と輝く名作を紐解きながら、難解と思われがちなこのジャンルの「歴史」「全体像」「楽しみ方」をわかりやすく解説。
なぜやくざ映画は、我々の心を掴んで離さないのか。不健全な作品にしか、救えない魂があるからだ。
(出版社HPより)
価格 2,750円(本体2,500円+税)
発行年月 2021年10月
判型 四六判
ISBN 9784909852199
気鋭の批評家・映画史研究者である渡邉大輔による初の評論集。インターネット、スマートフォン、SNS、Zoom、VR、AR、GoPro……新たなテクノロジーによって21世紀の映画はどのように変容したのか? 「明るい画面」と「暗い画面」という見立てから、これからの映画の可能性を読み解く画期的論考を収めた第1部、『君の名は。』『天気の子』『鬼滅の刃』『ドライブ・マイ・カー』など、話題のアニメ・映画を鋭く論じた第2部、合計328頁のボリュームでお届けする。
(出版社HPより)
価格 2,970円(本体2,700円+税)
発行年月 2021年09月
判型 四六判
ISBN 9784790717584
『となりのトトロ』『リトアニアへの旅の追憶』『阿賀に生きる』『東京物語』『ニュー・シネマ・パラダイス』……映画という具体的な芸術に沈潜するとき、ヴェイユの思想はどう生きられるのか。己の詩をもつ人々が放つ美の閃光を読みとく。
【序章「哲学、女、映画、そして……」から抜粋】
シモーヌ・ヴェイユからはむしろ離れ、映画という具体的な芸術に沈潜していったときに、ヴェイユの名をいっさい出さず、ヴェイユの思想をいっさい語ることなく、彼女の思想がわたし自身の言葉としてあらわれ出てきたのだ。自らの意図に沿って思考しているかぎり、それはその人よりも高くも低くもない。自らにおいて自らを超える思考があらわれ出たときにはじめて、他者とつながってゆける普遍性の光が見える。
(出版社HPより)
価格 1,980円(本体1,800円+税)
発行年月 2021年11月
判型 A5
ISBN 9784910511047
映画の歴史を変えた男、ジョージ・A・ロメロとは何者だったのか
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)、『ゾンビ』(1978年)、『死霊のえじき』(1985年)の「ゾンビ」三部作により、映画の世界に「ゾンビ映画」という映画史に残る大発明をした男、ジョージ・A・ロメロ。
このたび、お蔵入りとなっていた幻の非ゾンビ映画『アミューズメント・パーク』が発掘され、一般公開されることに。デビュー作『ナイト~』とブレイク作『ゾンビ』の間をつなぐ時期にあたる1973年に撮影された本作を基点に、改めてロメロという映画作家の本質に迫ります!
内容
・ジョージ・A・ロメロ伝
・スザンヌ・ロメロ(ジョージ・A・ロメロ財団)インタヴュー
・パオロ・ゼラティ(「Twilght of the Deat」脚本家)インタヴュー
・大槻ケンヂ、ロメロの魅力を語る
・幻の未公開作『アミューズメント・パーク』
・全作品レヴュー
・ロメロの遺伝子──ロメロの影響下にある作品紹介
(出版社HPより)
価格 990円(本体900円+税)
発行年月 2021年10月
判型 新書
ISBN 9784797680843
世界の映画作家たちは現代社会を覆い尽くす「格差と貧困」をどのように描いたのか?
お待ちかね、「最前線の映画」シリーズ第3弾! 『天気の子』はなぜ雨を止めなかったのか? 『ジョーカー』はなぜ、チャーリー・チャップリンを観るのか? 『ノマドランド』の街はなぜ消えたのか? どうして『万引き家族』では「スイミー」が語られるのか?……近年のヒット映画の中に作り手たちが込めた「暗号」を町山智浩が鮮やかに解き明かす。
(出版社HPより)
価格 4,950円(本体4,500円+税)
発行年月 2021年10月
判型 B5
ISBN 9784866471556
日本劇場未公開の監督デビュー作『ハードエイト』から、ポルノ映画産業の内幕を描き、その名を一躍スター監督の座に押し上げたヒット作『ブギーナイツ』、“21世紀の『市民ケーン』”とも称される『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、トマス・ピンチョン原作の『インヒアレント・ヴァイス』、そして名優ダニエル・デイ=ルイスを再び主演に迎えた最新作『ファントム・スレッド』まで完全網羅。
卓抜のショットで観客を魅了する映画作家ポール・トーマス・アンダーソンの傑作(マスターワークス)を読み解く。
■名場面スチール/描き下ろしイラスト/映画ポスターなど豊富なビジュアル300点&PTAの共同制作者たちのインタビューも収めた豪華決定版。
(出版社HPより)
価格 858円(本体780円+税)
発行年月 2021年10月
判型 新書
ISBN 9784334045715
「SF=人間の想像力」が持つ可能性
映画『スター・ウォーズ』では、太陽が2つあるタトゥイーンという惑星が登場します。現在の天文学では、このように太陽が複数ある天体があるという事実は知られていますが、もちろん映画製作の当時は知られていません。つまり、人間の想像力というのは実に壮大で、ときに映画で描かれている世界が現実の科学世界のなかで発見されるようなケースもあるのです。映画だから、フィクションだからといって切り離すものではなく、想像力はときに侮れないものなのです。映画の世界から何かとんでもない科学的着想がひらめき、未来の科学を導く、そんな夢のようなことだって起こらないとは言い切れません。
(出版社HPより)
価格 1,650円(本体1,500円+税)
発行年月 2021年10月
判型 四六判
ISBN 9784907497156
価格 6,600円(本体6,000円+税)
発行年月 2021年10月
判型 A4変
ISBN 9784866471433
その壮大さ&複雑さゆえに、映像化において苦難の道をたどってきた「デューン」。
完璧なる再現は不可能と言われてきた世界をドゥニ・ヴィルヌーヴは如何にして、実写化したのか。監督はもちろんのこと、「デューン」シリーズの継承者であるブライアン・ハーバート&ケヴィン・J・アンダーソンや主演のティモシー・シャラメをはじめとする豪華キャスト陣、プロデューサーや衣装スタッフ、視覚効果スタッフのコメントから、アクション指導やフレメンの言語であるチャコブサ語の創出過程まで、映画製作に携わった多くの制作陣のインタビューが余すところなく掲載。
美麗な撮影中のショットや、コンセプトアートも必見。
公私ともにドゥニ・ヴィルヌーヴのパートナーであるタニア・ラポイントが案内人となり、映画の舞台裏を詳らかにする。
――砂の惑星・アラキスへの冒険の旅へ。
(出版社HPより)
価格 4,180円(本体3,800円+税)
発行年月 2021年10月
判型 A5
ISBN 9784130830829
映画についての百花斉放百家争鳴.クラカウアー,バザン,蓮實,メッツ,マルヴィ,ボードウェル,ガニング、カヴェル,ドゥルーズ, ランシエール…….彼ら/彼女らが映画に関して紡いだ思考のエッセンスを浮かび上がらせる.第一線で活躍する映画研究者が執筆する映画論を知り学ぶための最強テキスト.
はじめに(木原圭翔)
Ⅰ 古典的映画論のアクチュアリティ
ヒューゴー・ミュンスターバーグ:その遺産と認知主義的映画研究(板倉史明)/ベーラ・バラージュ:映画芸術が可視化する人間の精神(渋谷哲也)/ジャン・エプシュタイン:幻視者の映画哲学(武田 潔)/セルゲイ・エイゼンシュテイン:自動運動とその観察(畠山宗明)/ジークフリート・クラカウアー:偶然,事物,リアリズム(竹峰義和)
Ⅱ 映画批評の実践
アンドレ・バザン:「不純な映画」の時代の批評家(角井 誠)/エリック・ロメール:「美」を通じた存在の肯定(小河原あや)/セルジュ・ダネー:現代映画とともに生まれた男(須藤健太郎)/V・F・パーキンズ:「世界」のスタイルと意味(川﨑佳哉)/蓮實重彥:映画の反=メディア的可能性(長谷正人)
Ⅲ 現代映画理論の展開
クリスチャン・メッツ:反省的=再帰的言説の道程(武田 潔)/レーモン・ベルール:映画と映像アートの往還(堀 潤之)/ローラ・マルヴィ:フェミニズムとテクノロジーから映画を見る実践理論家(斉藤綾子)
Ⅳ フィルム・スタディーズの冒険
デイヴィッド・ボードウェル:詩学/科学を追求する(木下耕介)/ミリアム・ハンセン:映画経験とモダニティ(竹峰義和)/リンダ・ウィリアムズ:ボディジャンルと幻想の論理(木下千花)/トム・ガニング:映画のアトラクションに魅せられた歴史家(三輪健太朗)
Ⅴ 哲学者たちの映画論
スタンリー・カヴェル:メディウムを批評する哲学者(木原圭翔)/フレドリック・ジェイムソン:歴史的可能性を問い続けるマルクス主義者(吉本光宏)/ジル・ドゥルーズ:哲学者は映画作家をどう論じたか(中村秀之)/ジャック・ランシエール:芸術の美学的体制と映画(堀 潤之)
おわりに(堀 潤之)
(出版社HPより)