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2021.12.02

気になる映画本 2021年11月刊行

気になる映画本 / フィルムアート社

クィア・シネマ・スタディーズ

晃洋書房
菅野優香=編著

価格 2,530円(本体2,300円+税)
発行年月 2021年11月
判型 A5
ISBN 9784771035539

ジェンダーやセクシュアリティの規範性やカテゴリーの境界線を問い直す概念としての「クィア」は、LGBTブームのはるか以前から、映画文化を通じて日本に流入し、その地平を広げてきた。

作品や表象のなかで、不可視化され、無視され、隠蔽されてきたものは何か。それらを「クィアなもの」としていかに再発見できるか。

あつかう地域や新旧問わず、幅広い作品を様々な方法論で論じた本書は、クィアとシネマをめぐる思考と実践のアーカイヴである。


(出版社HPより)


私たちにはわかってる。アニメーションが世界で最も重要だって

青土社
土居伸彰=著

価格 2,860円(本体2,600円+税)
発行年月 2021年11月
判型 四六判
ISBN 9784791774296

全世界アニメーション批評大系

アニメーションにとって2010年代こそ新世紀の始まりだった。日本のアニメーションはさらなる進化を遂げ、世界のインディペンデントは孤高に突き進む、エクスペリメンタルは国境を問わず、映画館を飛び出し、動画サイトや配信プラットフォームを日々賑わせている。決定的な革命の時代に作家はなにを考えていたのか。世界のアニメーション映画祭をめぐり、その目利きによって自ら配給をも手がける批評家の集大成。全世界のアニメーションがここにある。


(出版社HPより)


近衛十四郎十番勝負

雄山閣
谷川建司=著

価格 4,180円(本体3,800円+税)
発行年月 2021年10月
判型 A5
ISBN 9784639027935

伝説的な時代劇俳優、初めての評伝。

当時のポスターやスチール写真など貴重な写真資料を多数掲載。昭和の日本映画史とともに歩んだ名優の、波乱に満ちた人生を追う。

また「素浪人 月影兵庫」でコンビを組んだ品川隆二氏、近衛の実子であり俳優の目黒祐樹氏らへのインタビューを通してその素顔に迫る。主要55作品の詳細な解説や出演作品(全241作)一覧、出演作品発売DVD一覧等も収めた充実の内容。


(出版社HPより)


新海誠の世界
時空を超えて響きあう魂のゆくえ

KADOKAWA
榎本正樹

価格 2,090円(本体1,900円+税)
発行年月 2021年11月
判型 四六判
ISBN 9784040647098

最初期作品から『天気の子』まで、新海作品を徹底分析!


最初期自主制作作品から『天気の子』まで、新海誠の全作品を、文芸評論家が読み解く書き下ろし評論。本書のための新海誠ロングインタビューを収録。

第1章 最初期作品群 映像作家・新海誠の誕生

第2章 『ほしのこえ』 「世界」から「セカイ」へ

第3章 『雲のむこう、約束の場所』 回顧される青春の記憶

第4章 『秒速5センチメートル』 「風景」と「内面」と「速度」をめぐる物語

第5章 『星を追う子ども』 始源的世界への遡行

第6章 『言の葉の庭』 文学するアニメーション

第7章 『君の名は。』 共苦する魂の物語

第8章 『天気の子』はいかに作られたか 新海誠ロングインタビュー

(出版社HPより)

小津安二郎 晩秋の味

河出書房新社
尾形敏朗 

価格 2,475円(本体2,250円+税)
発行年月 2021年11月
判型 四六判
ISBN 9784309291703

名匠小津安二郎の晩年の作品の意味とは。従軍体験と夭折の盟友山中貞雄監督を軸に、画面や発言、記録などからていねいに読み解く。好評の『キネマ旬報』連載を単行本に。


人生のラスト・ムービー

秋刀魚の歌が聞える

山中貞雄を想う

変な家の女

幽明の加東大介

葉鶏頭をキャメラの方へ

ひとりぼっちのメロディ

キリンからムジナへ

回復へのキャッチボール

終った人、はじまる。〔ほか〕


(出版社HPより)


映像が動き出すとき
写真・映画・アニメーションのアルケオロジー みすず書房

みすず書房
トム・ガニング=著|長谷正人=訳 

価格 7,920円(本体7,200円+税)
発行年月 2021年11月
判型 A5
ISBN 9784622090540

イメージが動くとは。

「アトラクションの映画」の概念で、映画という枠組みを超え映像文化研究に大きなインパクトをもたらした初期映画研究・メディア史研究の泰斗ガニング。その思考はさらに深化して、鮮やかな〈動き〉の視覚文化論を展開し、写真・映画・アニメーションにわたる映像文化圏全体を見晴らす。

映画や写真は長い間、インデックス性を本質とするものとして捉えられてきた。ベンヤミン、バザン、バルト。対して、映像技術のデジタル化した今日、「映画はアニメーションの一ジャンル」とマノヴィッチは大胆な命題を提起した。ガニングはこの衝撃を正面から受けとめつつ反論する。問題は、写真的なリアリティか加工可能なグラフィックかの二項対立ではないのだ。

驚くべき該博な知識に基づき、膨大な論考を精力的に執筆し続けているが、ガニングにはこれまでまとまった論文集がなかった。このたび日本語版独自編集で、英語圏にもまだない初の一書が生まれる。2000年代以降発表されたおよそ100にものぼる中から精選。図版多数。


(出版社HPより)


侯孝賢の映画講義

みすず書房
侯孝賢=著|卓伯棠・秋山珠子=訳 

価格 3,960円(本体3,600円+税)
発行年月 2021年11月
判型 四六判
ISBN 9784622090502

「今日私は、自分へのこんな問いかけから始めようと思います。私はなぜ映画を撮れるようになったのか? さらには、いかなる能力と確信をもって、自分がこれでよい、あるいは好きだと思える映画を撮れるようになったのか?」(第1講より)

1980年に『ステキな彼女』で初監督を務めて以来、『風櫃の少年』『冬冬の夏休み』『童年往事』『恋恋風塵』『悲情城市』『戯夢人生』などの映画を世に出して台湾ニューシネマの興隆を牽引し、世界的にも台湾を代表する映画監督として知られる侯孝賢。本書は侯孝賢が2007年に香港バプテスト大学で行った講義の記録である。

初期作品の下地ともなった自身の生い立ちや家族における故郷喪失の影響に始まり、映画人としての来歴、ともに一時代を築いたエドワード・ヤンや朱天文、制作陣や役者たちとのエピソード、作品ごとの制作秘話、さらにはその人生観と映画作りとの関わりまで、侯孝賢の世界が存分に語られる。

映画制作を学ぶ学生に向けた講義でありながら、侯孝賢を形づくる物事や人間の生へのまなざしまでもが窺える、侯孝賢理解のための必読書。巻末には、『好男好女』『憂鬱な楽園』『フラワーズ・オブ・シャンハイ』で製作を手がけた映画プロデューサー・市山尚三による解題を収録。


(出版社HPより)


最後の角川春樹

毎日新聞出版
伊藤彰彦

価格 2,090円(本体1,900円+税)
発行年月 2021年11月
判型 四六判
ISBN 9784620327105

戦後最大の出版人、その魂の軌跡。風雲児は詩人にして悪党。本と映画と音楽の融合、父との闘争と和解、価値破壊と文化創造…破格の構想力によって、「出版」は「事件」となった。幾多の受難から立ち上がった角川春樹、新たな闘争が始まる。


序章 敗れざる者

第1章 少年時代(~二十二歳)

第2章 編集者時代(二十二~三十三歳)

第3章 映画プロデューサー時代(三十四歳~)

第4章 俳人と映画監督の間(四十歳~)

第5章 収監そして復帰へ(五十一~六十二歳)

第6章 最後の監督作品

終章 それでも敗れざる者


(出版社HPより)


巨大映画館の記憶

ワイズ出版
青木圭一郎 

価格 2,970円(本体2,700円+税)
発行年月 2021年11月
判型 A5
ISBN 9784898303412

戦前、戦後の映画黄金期の東京に確かに存在したが、今は儚くも消えてしまった客席数1000を超える巨大映画館…。 同時代に、これらの映画館で過ごされた方へ。記憶を呼び戻す一助になればと思います。「昭和の東京・映画は名画座」に続く、昭和映画館史の第2弾!


(出版社HPより)


フェイドアウト
日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一

幻戯書房
東龍造=著 

価格 1,980円(本体1,800円+税)
発行年月 2021年12月
判型 四六判
ISBN 9784864882361

活動写真の先駆者(パイオニア)たち。

「そや、喪が明けたときにすぐにでも公開できるよう会場を押さえとかなあかん」このときの判断が後々、日本映画史に確固たる足跡を残すことになった。

明治29年(1896)、大阪。本邦初の映画が、難波で上映された。

ヴァイタスコープ、シネマトグラフ……映写機初輸入秘話。


(出版社HPより)


スティーヴン・スピルバーグ
映画の子

河出書房新社
河出書房新社編集部

価格 1,562円(本体1,420円+税)
発行年月 2021年11月
判型 A5
ISBN 9784309980386

スピルバーグのフィルモグラフィーを振り返ると、アメリカの現代史が見えてくる――2022年2月11日公開最新作『ウエスト・サイド・ストーリー』にあわせて、現代を代表する巨匠に迫る総特集。

スピルバーグのフィルモグラフィーを振り返ると、アメリカの現代史が見えてくる――

最新作『ウエスト・サイド・ストーリー』公開記念、現代を代表する巨匠に迫る総特集。


(出版社HPより)


地域発ドキュメンタリーが社会を変える
作り手と映像祭の挑戦

ナカニシヤ出版
市村元・音好宏・「地方の時代」映像祭実行委員会 

価格 2,750円(本体2,500円+税)
発行年月 2021年11月
判型 B6
ISBN 9784779516061

作り手たちは何をみつめ、社会をどう変えてきたのか。映像制作者たちの努力と、四〇年続く映像祭の軌跡を審査員や関係者の声から振り返り、作品と映像祭の可能性と未来を展望する。

第一部では作品群が何を伝え、何と闘い、そして世の中の何を変え、変えようとしてきたのかを制作者自らが考察。第二部では、映像祭がどんな理念や展望、夢を持って誕生し、先人たちがどのような知恵と努力でこの映像祭を続けてきたのか、また、放送局、ケーブルテレビ局、自治体、市民、学生、高校生といった制作者たちの情報交換・交流の広場としてこの映像祭が果たしてきた役割や大学・高校教育との連携などを考える。


(出版社HPより)


ビデオランド
レンタルビデオともうひとつのアメリカ映画史

作品社
ダニエル・ハーバート=著|生井英考・丸山雄生・渡部宏樹=訳 

価格 3,740円(本体3,400円+税)
発行年月 2021年12月
判型 四六判
ISBN 9784861828751

銀幕を包んだ闇を抜け出し、映画の新たな「配給網」となったレンタルビデオ店。その創世から終幕、そして「配信」の現在へとつづくアメリカ映画のもうひとつの歴史。


いまやレンタルビデオ店はアメリカ人の暮らしからは既に遠くなったけれど、願わくば本書『ビデオランド』が、かつての生き生きとした社会生活のなにものかを伝え、とりわけ日本の読者諸賢にとっても、遠いどこかの話ではなく、いまや消え去ろうとしている文化になんらかの親しさや近しさを感じてもらえるようなものでありますようにと思う。……ビデオストアはありふれた、つかのまの、記憶されることさえないふるまいとやりとりに溢れた何の変哲もない場だった。けれどそういうものはえてして、消え去って初めて気づくものだと、そんなふうにつくづく思うのである。(「日本語版への序文」より)