――ほらね? 誰にだって希望はあるんです。
『ヘアスプレー』の監督ジョン・ウォーターズが、
この世の不安と向き合うすべての人に捧げる感動のスピーチ、遂に邦訳!
厄介者のススメ
ジョン・ウォーターズの贈る言葉
Make Trouble
ジョン・ウォーターズ=著| 柳下毅一郎 =訳
発売日:2022年08月26日
四六判・上製|80頁(予定)|本体:1,900+税|ISBN 978-4-8459-2133-1
誰から何を言われても平気でいるための「安心」の作り方が、本の中に充満していた。
何かをしでかす前に必要なのは、この「安心」だ。
――坂口恭平(作家)
【内容紹介】
『ピンク・フラミンゴ』や『ヘアスプレー』などで知られる伝説的カルト映画監督ジョン・ウォーターズが、2015年に行ったロードアイランド・デザイン学校の卒業式の祝辞を全文収録。
高校を停学になり、開校以来はじめてのマリファナ・スキャンダルを引き起こして大学を退学した過去をもつウォーターズが壇上から嬉々として卒業生に語った破壊的アドバイスは、瞬く間に口コミでアメリカ全土に広まり、大きな話題となった。また、本スピーチを収録したアルバム「Make Trouble」も販売されている。
実際のスピーチの映像
スピーチが収録されたアルバム
拒絶を恐れず、大いに遊び、敵の声に耳を傾けろ
新しいアイデアで私たちを怯えさせろ
批評家を怒らせてしまえ
ウォーターズがスピーチで語ったアドバイスの数々は、年齢を問わず、これから新たな第一歩を踏み出そうとするすべての人たちの心を打つに違いない。
ジョン・ウォーターズはいう。
「時が来ました。騒ぎたてる時が。あなたの番です。騒ぎを起こそう!」
ただし、アウトサイダーではなく、インサイダーとして。
警戒心をかなぐり捨て、内側から厄介事を引き起こし、自分のもっとも憎むべき敵の新バージョンへと自分自身を変身させるのだ。
スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式(2005年)で次のように述べた。
「ハングリーであれ。愚か者であれ。」
Stay Hungry. Stay Foolish.
本書で、ジョン・ウォーターズが若者に向けて贈るのは次のような言葉だ。
「さあ、世界に出ていって、そいつをファックしてやりなさい。美しく!」
ジョン・ウォーターズから次世代のクリエイターたちへ向けた、知恵と戯言が混在した名スピーチが待望の邦訳!
エリック・ハンソンによる風刺の効いた線画イラストと美しいデザインでヴィジュアル面でも読者に大きなインパクトを与えてくれる一冊。
プレゼントブックとしても最適!
読者へのメッセージ(本書公式プロモーション動画)
【本書の一部を公開】
今日でみなさんの不良少年時代は終わるのかもしれません。
だけど、それは大人としての不服従のはじまりにならなければなりません。
最近では、誰もがアウトサイダーになりたがってます。
とことん政治的に正しくあろうとして。
たいへん結構。
みなさん人種差別を、性差別を、年齢差別を、肥満差別をなくすべく頑張っていることでしょう。
でも、それで満足ですか?
アウトサイダー気取りなんてとっくに流行遅れじゃないですか?
つまり、つまらない警戒心なんかかなぐり捨てて、本当に厄介事を引き起こし、自分自身を自分のもっとも憎むべき敵の新バージョンへと変身してみてもいい頃合いでは?
つまり、インサイダーに!
なるんです。
そう、ぼくみたいにね。
HA!
最強の皮肉です——狂える創造的な人間がついに権力を握るんですよ。
考えてみてください。ぼくは何も変わってない。社会が変わったんです。
まさかじゃないですか。
一流大学が、学生の模範たるべくぼくみたいな下劣な老人を招くだなんて?
ほらね? 誰にだって希望はあるんです。
いつでも社会に奇襲攻撃をしかけられるように!
[……]
下品な言葉をお許しいただきます。
さあ、世界に出ていって、そいつをファックしてやりなさい。
美しく!
デザインせよ!
みっともなさすぎて、皮肉のふりでも着られないような服を。
怯えさせろ!
ぼくらを新しいアイデアで。
怒らせろ!
時代遅れの批評家どもを。
テクノロジーを使え!
ものぐさなSNS生活なんかじゃなく、世界を侵犯するために!
ぼくを不安にさせてくれ!
そして最後に、自分に与えられたものを数えあげてみましょう。
あなたは大学を卒業しました。
自殺もしませんでしたし、麻薬中毒にもならず、神経衰弱も起こさずにすみました。
ほら、やってしまったやつの顔を思いだして。
時が来ました。
騒ぎたてる時が。
あなたの番です。
騒ぎを起こそう!
ただし今度は現実世界で。
ただし今度は内側からやるのです。
【著者紹介】
ジョン・ウォーターズ(John Waters)

By PEN American Center – https://www.flickr.com/photos/penamericancenter/13944944999/, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=33735824
1946 年アメリカ・メリーランド州ボルチモアの中流家庭に生まれる。72 年にカルト映画史上の古典として不滅の輝きをもつ『ピンク・フラミンゴ』を発表、全世界にショックを与えて〈バッドテイストの王様〉として名を馳せる。以後、メジャー映画シーンで『ヘアスプレー』(88 年)『クライ・ベイビー』(90 年)『シリアル・ママ』(94 年)などヒット作を監督。現在はショーのホストやエッセイストとしても活躍している。ボルチモア在住。
【その他著書】
『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』(国書刊行会)
『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法 新版』(青土社)
『クラックポット ジョン・ウォーターズの偏愛エッセイ』(徳間書店)※現在品切中
厄介者のススメ
ジョン・ウォーターズの贈る言葉
ジョン・ウォーターズ=著| 柳下毅一郎 =訳
発売日:2022年08月26日
四六判・上製|80頁(予定)|本体:1,900+税|ISBN 978-4-8459-2133-1