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2022.11.10

気になる映画本 2022年10月刊行

気になる映画本 / フィルムアート社

フィルムアート社の中の人が2022年10月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本をピックアップして紹介します。(毎月上旬更新予定)

絵を描くように映画を撮る。
超インディペンデント映画術

玄光社
ふるいちやすし 

価格 2,530円(本体2,300円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A5
ISBN 9784768316825

今やデジタル一眼カメラでも妥協しなければ映画館で上映できるクオリティで制作できるようになりました。小説家が小説を書き、画家が絵を描くように、映画作家は映画を作れるようになったといえます。海外で数々の受賞歴を持つ映画監督・ふるいちやすし氏が、インディペンデント映画制作のための機材選び、使いこなし、演出方法のノウハウを指南します。(出版社HPより)


HERO 大島康嗣の仕事

講談社
大島康嗣 円谷プロダクション 東映 

価格 7,480円(本体6,800円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A4変
ISBN 9784065292532

特撮のはじまり「ウルトラQ」「仮面ライダー」から、撮影現場を取材し、令和の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」まで撮影をし続けた伝説の講談社カメラマン・大島康嗣氏。講談社所蔵のあまたある写真の中から、選りすぐられたスチール写真1087点で、1966年から2020年までの55年をふりかえる豪華写真集。「ウルトラマン」「仮面ライダー」にあこがれた大人の特撮ファンへの渾身の一冊です。(出版社HPより)


新海誠 国民的アニメ作家の誕生

集英社
土居伸彰

価格 990円(本体900円+税)
発行年月 2022年10月
判型 新書
ISBN 9784087212372

『君の名は。』と『天気の子』が大ヒットを記録し、日本を代表するクリエイターになった新海誠。11月11日には最新作『すずめの戸締まり』が公開予定であり、大きなヒットが期待されている。しかし新海は宮崎駿や庵野秀明とは異なり、大きなスタジオに所属したことがない異端児であった。その彼がなぜ、「国民的作家」になり得たのか。評論家であり海外アニメーション作品の紹介者として活躍する著者が、新海誠作品の魅力を世界のアニメーションの歴史や潮流と照らし合わせながら分析。新海作品のみならず、あらゆるアニメーションの見方が変わる1冊。(出版社HPより)


新海誠論

作品社
藤田直哉

価格 2,200円(本体2,000円+税)
発行年月 2022年10月
判型 四六判
ISBN 9784861829345

映像作品、関連書籍、本人インタビューなど網羅、『すずめの戸締まり』への軌跡を完全解明!「危機の時代を健やかに生きる」覚悟とは?


気候変動/SDGs、伝統/未来、信仰/科学、地方/都市……“新海誠”を読解することは、現代日本を問うことであり、我々の未来を救う鍵がある。 分断「/」のネット時代に現れたゲーム的な作家は、如何に成熟し、世界との関係をつなぎ直すのか?

新海誠を超えた、思想としての「新海誠」。(出版社HPより)


映像クリエイターのための完全独学マニュアル
不可能を可能にするテクニック〈撮影・録音・照明・ 構図・脚本・編集〉

フィルムアート社
リュドック 

価格 4,180円(本体3,800円+税)
発行年月 2022年10月
判型 B5
ISBN 9784845921324

限られた予算で大作映画のような映像を撮るにはどうすればいい? 必要なのは《テクニック》と《ギミック》の組み合わせ 「ギミック王」の映像作家による超実践的映像制作マニュアル!


映画学校に通うことなく、本やネットの助けを借りながら、独学で映像制作の知識や技術を身に付けて活動する、気鋭の映像作家のリュドック(Ludoc)が、自身の経験をもとに、限られた予算においてまるで大作映画のような映像を制作するための方法を徹底解説。

機材選びに始まり、現場での撮影・照明・録音の基本から、シナリオに基づくカット割り、フレーム内の構図の作り方、会話の撮影方法、画面に独特の動きを生み出す撮影や編集のテクニック、そして最終編集作業に至るまでの全工程を10章にわたって解説。図解イラストや著名な映画作品のカットを見ながら、映像制作を基礎からその発展形まで学ぶことができます。

それぞれの章は独立しており、必要な章だけを読むことももちろん可能。一見して不可能に見える大作映画のような映像表現について、具体的な映画シーンの分析とともに、いかに限られた手法や予算のなかで実現できるのか。そのための《ギミック》が、著者の経験と知識とともに具体的に解説される点はこの本の最大の特徴と言えるでしょう。

これから独学で映像制作を始めようとする入門者にも、すでに映像制作を手掛けながら様々な困難にぶつかっている現役クリエイターにも、心強い味方となる必読の一冊。


映画夢情

書肆子午線
佐藤千穂 

価格 5,280円(本体4,800円+税)
発行年月 2022年10月
判型 四六判
ISBN 9784908568329

1960年代初めより映画への溢れる愛憎を自在闊達な思考と文体で書き継いできた佐藤千穂。 その知られざる全容を集成。 解題=梶間俊一/荒井晴彦(出版社HPより)


時代劇が前衛だった
牧野省三、衣笠貞之助、伊藤大輔、伊丹万作、山中貞雄

淡交社
古賀重樹 

価格 2,640円(本体2,400円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A5
ISBN 9784473045232

日本映画の黎明期、若者たちが京都に集まり、実験的な技法とみずみずしい感覚で映画を作った。時代劇は創意あふれる前衛的な芸術だった。本書は、日本映画初期の名監督である牧野省三、衣笠貞之助、伊藤大輔、伊丹万作、山中貞雄の作品の今見ても古びていない新鮮な魅力を、新発見のフィルムや資料、関係者への取材、多彩な芸術家との交流の記録などから生き生きと描きだす。新たな技術、テーマへ果敢に挑んだ5人の作品が時代を超えて輝く理由を発見する。貴重図版多数。(出版社HPより)


Vシネマ最期の弾痕
骨は雨に濡れて

ぺりかん社
谷岡雅樹 

価格 2,420円(本体2,200円+税)
発行年月 2022年10月
判型 四六判
ISBN 9784831516244

Vシネマ ―― 1990年代、レンタルビデオ店を主戦場に百花繚乱の様相を呈した「劇場公開されない映画」。俳優・脚本家・演出家など数多の異才が去来し、正当な評価を受けぬままに早すぎる死を迎えていった。「キネマ旬報」誌や「映画芸術」誌、「図書新聞」で長年にわたりVシネマ 評、映画評を手がけ、業界の盛衰を見届けてきた著者が刻む、うずたかく積まれた「死」の記録。(出版社HPより)


完本巨人と少年黒澤明の女性たち

ワイズ出版
尾形敏朗 

価格 1,650円(本体1,500円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A6
ISBN 9784898303467

伝説のクロサワ論、完結!大胆にして精緻。作品に描かれた女性像から見たもう一人の黒澤明。発表時、本人も熱心に読んだという伝説の書に、高峰秀子を“少女”の原点に置く「デコという少女」等を加え、待望の完本化!(出版社HPより)


朝鮮映画の時代
帝国日本が創造した植民地表象

梁仁實
法政大学出版局

価格 3,630円(本体3,300円+税)
発行年月 2022年10月
判型 四六判
ISBN 9784588603662

帝国日本では多くの映画人や作品、情報が往来し、内地でも朝鮮映画が上映され「朝鮮物」が作られた。こうした朝鮮映画や朝鮮物は誰に観られ、いかに考えられていたのか。戦時色が強まるにつれ、セリフは日本語に、スクリーンには「立派な皇国臣民」が登場するようになる。監督や俳優などの製作者、映画館経営者、観客の思いは、朝鮮人と日本人でいかに重なり、異なったのか。(出版社HPより)


『男はつらいよ』、もう一つのルーツ
ポピュリズム映画考

大月書店
吉村英夫 

価格 2,860円(本体2,600円+税)
発行年月 2022年10月
判型四六判
ISBN 9784272612444

『男はつらいよ』の原型が、フランスのマルセル・パニョル作品にあったことは、山田監督自身が語っているが、あまり知られていない。「ポピュリスム」と呼ばれるその系譜に山田を位置づけつつ、日本映画史をたどりなおす。(出版社HPより)


サスペンス映画史 新装版

みすず書房
三浦哲哉

価格 3,740円(本体3,400円+税)
発行年月 2022年10月
判型 四六判
ISBN 9784622095613

「ひとは何を求めて映画を見るのか。自由の幻想を求めてである、という答えが第一にありうるだろう。(…)しかし、それだけではない。自由ではなく不自由の体験を観客に与えようとするフィルム群があることは、誰しもが知るところであるだろう」

「サスペンス」とは、宙吊りの状態、未決定の状態に置かれること。登場人物および観客をもそんな状態に巻き込むのが、サスペンス映画である。ひとはなぜ自らすすんで、そんな不自由と恐怖を求めて映画を見るのか。

感情移入とカタルシスに基づく説話論的サスペンス理解を超えて、確かな足場のない宙吊りの不安、さらには不安がもたらす魅惑を、サスペンス映画はさまざまに組織し、洗練し、そして継承してきた。

「不安が最終的に解消されることなどけっしてなく、(…)ヒッチコック的な眼差しを経由したいま、日常は、映画館の外においても、つねにすでに犯罪を抱え込んだものとして現れる」

グリフィス、セネット、キートン、ラング、ウェルズ、ターナー、ヒッチコック、スピルバーグからイーストウッドまで、斬新な映像分析、小気味よい論理展開、息づまる(映画的な)場面描写によって、新たな映画の見方を提示する。表象文化論の新鋭による、読み物としても第一級の映画史。(出版社HPより)


アメリカから来た少女

A PEOPLE
ロアン・フォンイー 

価格 1,430円(本体1,300円+税)
発行年月 2022年10月
判型 B5変
ISBN 9784909792303

2003年の冬。アメリカから台湾へ帰郷した13歳の少女と家族の物語。母の病気を受け入れられず、やり場のない感情から身勝手な行動を重ねてしまう13歳の少女が、自分の弱さに気づくことで成長していく様子を、端正な映像で丁寧に描いていく。第58回金馬奨で最優秀新人監督賞、観客賞など5部門受賞の他、台湾国内の映画祭で数々の受賞に輝いた、注目の新星ロアン・フォアイー監督による半自伝的映画。

その圧倒的な映像美をBOOKでも再現。さらに各ジャンルの識者からの長文によるレビュー、監督・キャストのロング・インタビューを掲載。台湾の作家、「台北暮色」のホアン・シーも取材。(出版社HPより)


本と映画の終わらない話。

マガジンハウス

価格 1,890円(本体1,718円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A4変
ISBN 9784838755684

ミュージシャン、漫画家、デザイナー、写真家、建築家など、あらゆる業界で活躍する方々に、語り出したら止まらなくなるほど好きな本と映画を語ってもらっています。

自分の人生に大きな影響を与えた作品、ものの見方を変えてくれた作品、最近触れて感動したホットな作品、読者の方々に絶対見てもらいたい作品……登場してくださった方々が選んでくれた作品は、その人自身を物語るようでもありました。

さらに、新規コンテンツとして「無人島本と無人島映画のはなし」も収録。読みたい本、観たい映画を見つけるガイドブックとして。はたまた60人の著名人のインタビュー集として。

まだ見ぬ本と映画に出合う旅のお供になるような1冊です。(出版社HPより)


あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る

フィルムアート社
エンニオ・モリコーネ 
アレッサンドロ・デ・ローザ 
石田聖子 
岡部源蔵 

価格 4,620円(本体4,200円+税)
発行年月 2022年10月
判型 B5
ISBN 9784845920273

「疑いの余地なく、本書は、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書である。これは真実の書である。」

──エンニオ・モリコーネ


前衛音楽から映画音楽へ

若き音楽家との対話によって紡がれる

マエストロの生涯とその創造のすべて


『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『死刑台のメロディ』『エクソシスト2』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』『ヘイトフル・エイト』……

数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯と創作の真実。


映画音楽は映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか。


本書には、モリコーネが歩んできた人生、映画音楽家としての活動、 経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のみならず、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。


映画、ラジオ、テレビといった様々なメディアが到来しては次々に様相を塗り替えていった現代社会のなかで、「音楽」はそこに何を残すことができたのか。決して音楽の世界に閉じこもることなく、新しい環境のなかに飛び込み、苦闘した作曲家はやがて映画音楽界の巨匠と呼ばれるようになる。


ゴッフレド・ペトラッシのもとで作曲を学び、ダルムシュタットでジョン・ケージと出会った作曲学生時代。そしてRAI(イタリア放送協会)やRCAでプロとしてのキャリアをスタートしてからの下積み。その後のセルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、モリコーネの生涯が詳細に語られる。


巻末には、ベルナルド・ベルトルッチ、ジュゼッペ・トルナトーレ、ルイス・バカロフをはじめ、カルロ・ヴ ェルドーネ、ジュリアーノ・モンタルド、ボリス・ポレーナ、セルジオ ・ミチェーリといった現代の映画界と音楽界を代表する面々による証言が収められている。


村上春樹 映画の旅

フィルムアート社
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 
村上春樹

価格 2,420円(本体2,200円+税)
発行年月 2022年10月
判型 A5
ISBN 9784845921362

現代日本の最も重要な小説家の一人である村上春樹──早稲田大学演劇博物館にて開催される企画展「村上春樹 映画の旅」は、そのキャリアを通じての「映画」との関係性に焦点をあてます。


村上はこれまでも様々な場で、自身にとって身近なものとして映画について語っていますが、その出会いの数々は村上作品に対し、具体的にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。あるいは、村上の作品群が現代の映画監督によって映画化されるとき、そこにはどのような想像力の変換が存在したのでしょうか。


巻頭では、本図録のために書き下ろした村上春樹によるエッセイ「自分自身のための映画」を特別収録。


前半では、企画展「村上春樹 映画の旅」の概要を、演劇博物館所蔵図版の数々や参考図版とともに紹介し、村上作品がいかに映画との関係を有してきたかについて、5章に分けて解説します。


後半では、村上作品の映画化を手がけたイ・チャンドン監督(『バーニング 劇場版』)、濱口竜介監督(『ドライブ・マイ・カー』)へのインタビュー、そして映像論、文学論、メディア論等を専門とする執筆陣による広範なテーマの論考により、村上小説と映画との関係への視座をより広く豊かなものへと拡張します。


巻末には、本企画展の展示リスト、村上春樹作品年譜のほか、大小問わず村上作品のなかに登場する映画作品をまとめあげた「村上春樹著作登場映画リスト」など、充実の資料を掲載。


図録として展覧会の内容を辿るとともに、村上作品が積み重ねてきた映画の旅を味わい、追体験できる一冊です。